2005年5月1日現在
目次に戻る 中国製KTP結晶のほとんどは山東省で結晶成長されています。
KTP結晶デバイス(KTiOPO4) RTP-Qスイッチ その他BBO-Qスイッチ
HGTR KTP結晶デバイス(イスラエル製) ⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒ 中国製も発売開始!! 高耐損傷閾値KTP
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KTP結晶は機能デバイス化されたものを販売いたします。 低価格で量産使用のKTP結晶は、結晶品質・コーティングが優れた、中国 Crystech社製をお勧めします。 長期にわたり使用される場合は、現実的には価格の安さ・品質の安定性・コートの信頼性・安定供給、納期の確実性等から考慮し、Crystech社のSuper-KTP結晶(SKTP)またはGTR−KTP結晶をお勧めします。 均一の品質を確保するには、カット採取の条件で「単一のセクターから採取したSKTP]と規定して購入して下さい。 ◆◆◆吸収: 普通のKTP(<1−2%/cm @532nm) SKTP(<0.5%/cm @532nm) SSKTP・GTR−KTP(<0.2%/cm @532nm) ◆◆◆高耐損傷閾値KTP: GTR−KTPはLBO結晶並みに損傷閾値が高い KTA結晶は損傷閾値が高く3−5μmでの吸収が小さい
KTP結晶は、代表的非線形光学結晶の一つであり、 フラックス法成長KTPと水熱法KTP結晶があり、低・中パワーのNdレーザーのSHG結晶として、最適であるため、最もよく使用されている。 0.5μm〜4.5μmの可視域から赤外域までの波長変換が可能です(PPKTPは0.4μm〜4.5μm)。 品質の優れたKTP結晶の育成・生産拠点は、中国では2ヶ所 (Crystech社と山東大学内成長工場) ありいずれも山東省で、ここから中国の結晶メーカに供給されています。 同じ波長域であるLiNbO3結晶は、波長変換後のビーム品質が粗悪になってしまい、結晶の安定性にも難点があるのに対して、KTP結晶は非線形結晶としては使用上の問題点はあまりない。 水熱法KTPは比較的に特性は良いが小形の結晶しか得られない上、高価です。 最近、イスラエルのRaicol Crystals社では水熱法を上回る特性(高品質・高損傷閾値)のフラックス法KTP結晶を提供できます。 このため、水熱法KTP結晶は生産中止の方向です。
特長 ● 非線形係数が大きい ● 広い許容温度幅と小さいウオークオフ角 ● 潮解性がなく物理・化学・機械的に安定・無難な結晶 ● ビーム品質の良い波長変換が出来る ● 単一成長セクター(右図)イスラエル製KTP結晶 KTP結晶は、すべての波長変換プロセスにおいて、Type−II が使用され、Type−I は非線形係数が小さいため、使用され ません。
特にイスラエルの Raicol Crystals社製KTP結晶は出力ビーム品質が良い。 一般のKTP結晶は、14個の成長セク ターまたは10個の成長セクター (単一成長セクター内でK元素濃度が異なる14/10個の多体成長セクターKTP) にて構成される結晶ブールを成長させて いるのに対して、 単一成長セクター(100方向のみ) (右写真)に成長させ、しかも大型の結晶ブールに成功しました。 このKTPですと、出力のビーム品質が良い、変換効率が高い、品質のバラツキが極めて小さい (同一結晶内・結晶と結晶間・ブールとブール間) 等の 利点があります。 単一成長セクターでも結晶の中心から外側に向かって屈折率の変化・勾配が生じますが、微細コントロールで dn/dl を一定にしています。 これは単一成長セクターだから可能です。 さらに、IBS法(イオン・ビーム・スパッタリング法)にて、反射率 R<0.02% @1064nm コーテイングが可能で、 高変換効率のintracavity SHG が 出来ます。 クリック⇒Raicol社概要
単一成長セクターKTP
主な応用 ● NdレーザーのSHG、グリーンレーザー発生(PPKTPだとSHGでブルーレーザー可) ● 良質な赤外光発生、OPO OPG DFG ----最長60mmのKTP結晶を提供できます-----
基礎特性 物理特性 光学特性
非線形光学特性 非線形光学特性 SHG @1064nm
KTP結晶の応用 KTP結晶の透過範囲
SHGにおける位相整合は、XY面カットでは、0.9μm〜1.08μmであり、XZ面カットでは、1.1μm〜3.3μmとなります。
NCPM-KTP結晶(OPO)
X軸カットのKTP結晶で、励起光源が Ti:Sレーザ・Cr:LiSAFレーザのような 波長可変レーザ(0.5〜1.7μm)を使用 すると、高効率のOPOが可能です。
クリック→ 光学パラメータ
イスラエル Raicol Crystals社では、Nd:YAG(1064nm)レーザーのSHG結晶として、3x3x3mm〜10x10x15mmのザイズのKTP結晶を出しています。 コーテイングは、共振器内部で使用(Intracavity Use)と、共振器外部で使用(Extracavity Use)とに分けています。 特に、共振器内部で使用(Intracavity Use)の KTP結晶のコーテイングでは、IBS法(イオン・ビーム・スパッタリング法)にて、反射率 R<0.02% @1064nmで提供します。
0.6μm〜4.5μmのOPOレーザーがNd:YAG(1064nm,532nm)励起で可能です。 イスラエル Raicol Crystals社では、OPO用 KTP結晶として、結晶両面にOPO用ミラーコートをした”モノリシック OPO/KTP結晶”を提供しています。 OPOレーザーをコンパクトに設計でき、衝撃・振動に強くなり安定性が増します。 最長50mmのKTP結晶も可能です。 右上図:1064nm励起1570nmOPO変換効率 結晶長35mm 出力ミラー50% t=30ns 25Hz 個別ミラーを使用した共振器OPO
共振器長L=35mm, 出力ミラー50%, t=10ns, f= 25Hz 結晶の長さを20mm、25mm、30mmと変えた場合の変換効率を示します。 従来のKTP結晶ですと、20mm長を超えた長さの結晶では、これ以上変換効率は上がらず、むしろ下がってしまうことがありました。 これは、20mm以上のKTP結晶は結晶欠陥が増えてしまうからです。 Raicol CrystalsのKTP結晶では20mm〜50mm長で欠陥の少ないものが可能ですので、このような高効率が得られます。
モノリシックOPO用もこれに近い効率です。
モノリシックKTP結晶とそのOPO装置
高耐損傷閾値(600MW/cm2 耐パルスレーザ@1064nm) (Raicol Crystals社イスラエル製) HGTR−KTP結晶は機能デバイス化されたものを販売いたします。 −−−最近、中国 CRYSTECH社ではこれより優れたHGTR-KTPの開発に成功しました−−− 中国 CRYSTECH社製HGTR-KTP結晶については、直接(株)ダウ⇒ kdhow@shirt.ocn.ne.jpにお問合わせ下さい。 High Gray Track Resistance KTP (単一成長セクター) 損傷閾値が高いKTP結晶、NdレーザのSHGで、10W程度の出力が可能。用途は、CWレーザおよびパルスレーザの SHG(イントラキャビティ可)。LBO結晶に取って代わる非線形結晶です。 通常のフラックス法成長のKTP結晶は、強力なグリーンレーザーが結晶内を通過すると、IR波長領域においてIR光の吸収を誘発させグレートラックを結晶内に形成させます。 強力な1064nmレーザーをKTP結晶に入れると、グリーン光が結晶内に発生し、数秒後にグレートラックが形成され始め、時間経過とともに、どんどん1064nmの吸収が増加していき、グリーン光出力が低下していきます。 この現象は水熱法成長のKTP結晶にもみられますが、グレートラックの形成は相対的に小さく、吸収はあまり大きくならず抑制されます。 Raicol Crystals社は、フラックス法成長のKTP結晶にて、水熱法成長のKTP結晶のグレートラックの形成よりさらに小さい、HGTR KTP結晶の開発に成功しました。 フラックス法成長は、大型の結晶が可能で経済的ですので、従来の水熱法KTP結晶にとって替わられ始めています。 右図 KTP結晶におけるグレートラック形成抑制効果 CW @10kW/cm2(514nm)レーザ通過における1064nm・IR吸収形成
Raicol社のHGTRーKTP結晶は、水熱法KTP結晶や 他のフラックス法KTP結晶と比べて、グレートラック形成 に対して大きな抵抗性を示しています。
なお、このグレートラックは通常135℃に加熱すれば、消滅します。 HGTR− KTP結晶は特に CW・Ndレーザーに対し有効ですが、パルスレーザー (1064nm)でも有効で、SHGの比較結果を右表に示します。
テスト条件は、 * ピーク出力密度:25MW/cm2@532nm,パルス幅:10ns, 繰り返し:600〜800Hz,1日24時間連続テスト。 基本特性 は通常のKTP結晶と同じです。
PPKTPデバイス PPSLTも可能です PPKTP対PPSLTの品質比較 周期分極反転PP(Periodically Poled)KTP Type-I Raicol Crystals社製 KTP結晶で最大の非線形係数を示す、X軸のカット(d33=16.9pm/V)を利用し、X軸に沿って一定幅のドメイン構造を形成します。 半導体の露光プロセスと同じで、マスクを使用しXカットのKTP基板上に強電界をかけ、分極方向を交互に反転させます。 半導体の場合と異なり、広い面積のマスクを使用し困難さはありますが、KTPの抗分極反転電界値はLiNbO3の約1/10と小さく、精度の高い反転層が形成できます。 LiNbO3結晶を使ったPPLNとの差異は、ダメージしきい値が高い、ビーム品質が良い、室温で使用可、ブルー光発生域での透過性が良い、等です。 使用するKTP結晶基板は損傷閾値が特別に高い特殊成長法のKTP結晶ですので、PPLNに比べ はるかに高い入力ビームのパワー密度でも安定し、出力ビーム品質も良好です。 Type-II PP KTP結晶も可能です。 PPKTPの応用 非線形係数が大きいので、波長変換しきい値が小さく、高繰り返しパルスレーザーおよびCWレーザーのSHGには最適。 Nd:YAG(1064nm)レーザー・マルチモードのSHGで、50kHzパルスで変換効率>65%(7.5W→4.8W),10kHzパルスで変換効率>75%。 ブルーレーザーへの変換では、400nmまで可能。 右図は低パワー領域のNd:YAG(1064nm)パルスレーザー・マルチモードのSHGにおける、KTPとPPKTPの比較です。 532nm励起OPO変換においては、温度チューニング(37.5℃⇔225℃)で Idler 1100nm⇔1384nm Signal 1032nm⇔865nm、角度チューニングも可。 PPLN/PPMgLNよりは短波長<0.6μmにて透過率が良く、ブルーレーザ発生においてはより変換効率が 高く、ビーム品質も優れています。 出力がかなり小さい半導体レーザーのSHGも可能です。 最新のMgLN結晶基板でもレーザグレードとは言い難い品質 その他応用も多々あります。 新しい波長変換デバイスですので、欧州を中心に論文発表が多い。 たくさんの論文のコピーあります。
PP KTP結晶は日本では、量子光物理学の基礎実験に多く使用されています。 また量子光情報通信の分野でも重要視されています。
PPKTPの仕様:
波長変換領域------0.380 to 4.0 µm 厚み(標準): 1.0mm (1.5mm or 2mm可) 幅----------2 mm(オプション1mm) 長さ -----------------up to 30 mm標準サイズ(H)x(W)x(L):1x2x3,1x2x5,1x2x10mm
Standard wavelength SHG 1064nm, 946nm, >780nmSHG可 PPKTPキット販売
* KTPの損傷閾値はMgLN-sより 桁違いに高い PPKTPの損傷閾値はバルクKTPのそれよりさらに高い。 * 長時間の使用で入射ビームの両端部に分極が生じ易く、分極反転構造が不安定になり最悪、消滅する。 時が経過するにつれて、PPMGLN−sよりPPKTPの優位性が次第に明らかになって来ています。
Periodically Poled Stoichiometric Lithium Tantalate (Raicol Crystals社製)
損傷閾値を向上させるため従来製は基板はMgO(不純物)をドープした、sMgO:LiTaO3でしたが、Raicol−Crystals社製は sLiTaO3 でありMgOはドープ しないでも損傷閾値が高い結晶を開発出来ました。 米国の著名研究機関で数ワット(CW)の緑色レーザの長時間動作が確認されました。 MgOドープのPPSLTの欠点に言及すると、MgO(不純物)をドープすることは結晶欠陥がドープした量だけ増えることであり、損傷閾値を向上と引き換えに 品質が劣悪になっていることになります。
PPKTPと比較すると、PPSLTはかなり劣悪な品質の結晶であり(PPSLN,PPST.PPLNも劣悪)、高品質の波長変換にはPPKTPを推奨しま す。 オーソドックスで高品位な波長変換が要求される「固体レーザ」の世界では、PPSLTやPPMgLN結晶は使用しないで下さい。 PPKTP結 晶かバルクの結晶(KTP、LBO,BBO等)をお使い下さい。
クリック→PPKTP対PPSLTの品質比較
MgOノンドープ(極少結晶欠陥)高損傷閾値のPPSLTをお試し下さい。
Wavelength Range: 280-5000 nm 室温位相整合が可能
SLT結晶基板も提供できます。 Stoichiometric Lithium Tantalate
MgOがドープされていないので、高品質です。 しかも損傷閾値はMgOドープ品と同等。
1. G. Rosenman, A. Skliar, I. Lareah, N. Angert, M. Tseitlin, M. Roth. 4. G. Rosenman, A. Skliar, A. Englander, R. Lavi, M. Oron, D.
Eger, E. Lebiush 5. S.V. Popov, S.V. Chernikov, J.R. Taylor 6. H. Karlsson, S. Wang, V. Pasiskevicius, F. Laurell . 7. V. Pasiskevicius, J. Hellstruem, F. Laurell, F. Rotermund, V.
Petrov, F. Noack 8. William P. Risk, Michael Sundheimer, Tolga Kataloglu, Kahraman G.
Koprulu, Orhan Aytur 9. T. Kellner, C. Czeranowsky, G, Huber, H. Karlsson, M. Pierrou, F.
Laurell 10. G.M. Gibson, M. Ebrahimzadeh, M.J. Padgett, H. Dunn 11. H. Karlsson, J. Hellstrm, V. Pasiskevicius, F. Laurell 12. G. Rosenman, A. Skliar, D.R. Weise, U. Strosner, A. Peters, J.
Mlynek, S. Schiller, A. Arie 13. V. Smilgevicius, A. Stabinis, A. Piskarskas, V. Pasiskevicius, J. Hellstrom, S. Wang, F. Laurell Nonlinear optical parametric oscillatorwith periodically poled KTP Optics Communications 173 (2000) 365-369
14. Xiaodong Mu, Yujie Ding, Efficient third-harmonic generation in partly periodically poled KTiOPO4 crystal May 1, 2001/ol. 26, No. 9/OPTICS LETTERS
15. U. StroBner, J.P. Meyn, R. Wallenstein, A. Arie, P. Urenski, G. Rosenman, J. Mlynek Single frequency cw OPO with an ultra-wide tuning range from 550nm to 2830nm Optics Letters, May 31, 2001
他ポッケルスセル BBO,LiNbO3, KD*P (下写真)
KTP結晶の結晶構造と同類のRTP結晶は、電気抵抗(Ω−cm)が極めて大きく、レーザーに対するダメージしきい値が高いので、Qスイッチに最適です。 RTP結晶を2個使用して、相互に温度補償させる構造となっています。 高繰り返しパルスのハイパワーNdレーザー用として、BBO Qスイッチがありますが、ドライブ電圧が通常のQスイッチの10倍もありまた潮解性もあり、難点でしたが、これらを解決した上、温度に対する安定性は極めて優れています。 AO−Qスイッチでは難しい、サブナノ秒・ピコ秒パルスが可能ですので、Ndレーザーによる微細加工における熱発生が抑制できます。 最前線の研究では、Nd:YVO4またはNd:GdVO4レーザーで10psパルス幅、500kHz−1MHzの繰り返しレートに達しています。 ご一報いただければ、技術資料をお送りできます。 ドイツではこのピコ秒レーザーが市販されています。
お問合わせは、クリック ⇒⇒⇒ kdhow@shirt.ocn.ne.jp
特長は ◆温度補償構造(温度安定性) -40℃〜+60℃ で安定動作 ◆高ダメージしきい値 ◆リンギングなし(下図) 高・消光比 ◆低挿入損失 ◆潮解性なし 高繰り返し Ndレーザー用(特にNd:YVO4/Nd:GdVO4に最適) 超短パルスレーザのピッキングに、Nd:YVO4レーザのピコ秒パルス発生に RTP Qスイッチの仕様 →標準的仕様品リスト
BBO, LiNbO3, KD*P 結晶使用の Qスイッチも可能です。 詳細は個々にお問合わせ下さい。
BBO−Qスイッチ 2007年より・発売 LiNbO3−Qスイッチ 2007年より・発売 KD*P−Qスイッチ 2007年より・発売
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